どんな道具でも、長く使い定期的な手入れをしているうちに愛着がわくものです。また、道具もそれに答えるかのように持ち主に合った味わいと、冴えを感じさせるようになります。
もちろんこれはパイプにも言えることで、長く使っているパイプほど、煙草が一層おいしく感じられるようになります。
お気に入りのパイプと長く付き合っていきたいのならば、喫煙毎の簡単なクリーニングと定期的なメンテナンスを欠かさずに行いましょう。
購入したばかりのブライヤー・パイプは、ブレーク・イン(慣らし吸い)を行いましょう。
このブレーク・インにより火皿の内側にカーボン(パイプ煙草が酸化し出来る炭)を付着させ、ボウルの焦げつきを防ぐのが主な目的です。また、喫煙中の煙草から出る水分も吸収し、煙をマイルドにしてくれるという利点もあります。
まずパイプ煙草を詰める量をボウルの半分程度にし、ゆっくりと喫煙します。
火皿の底のまで均等にカーボンが付くように、できるだけ最後までタバコを燃やす事を心がけましょう。
これを5回前後繰り返す事で程よくカーボンが付着します。
初めてパイプをはじめる方が、最初のパイプでブレーク・インする際はなかなかに要領がつかみにくいですが、パイプ・スモーキングの練習期間のつもりで挑戦してみてください。
パイプが確実に冷めた事を確認し(※)、パイプ・コンパニオンについているピックやナイフで、灰を落とし、パイプのクリーニングを行いましょう。
※完全に冷め切らないうちにマウス・ピースを抜こうとすると、高い確率でパイプをいためてしまいます。
(熱で素材が膨張し、弱くなっているので、ダボが折れたりシャンクが割れてしまったり・・・)
修理すら出来ない事態になってから後悔しないように、余裕をみてから取り掛かりましょう。
ゆっくりと、回しながら引っ張りマウスピースをシャンクからはずし、それぞれにモール・クリーナーを数回煙道に通し、喫煙時に出たタールや水分をふき取ります。
習慣にしてしまえばそれほど手間な事ではないですし、なによりヤニやタールが残っていては、次の喫煙の時に嫌な匂いでせっかくの煙草が台無しになってしまいます。
火皿についたカーボンが必要以上に厚くなってきたら、これを削って程良い厚み(1mm~2mm程 ※)に調整しましょう。
カーボンを削るのには、パイプ専用の「リーマー」を販売していますので、これらを使用すると良いでしょう。
※カーボンのちょうど良い厚みとは、人それぞれの吸い方や、ボウルの厚みなどによっても変わってきます。
たとえば、小さめのパイプで持っているときに熱く感じるようであれば、すこし多めにカーボンをのこしてみる・・・など。
これも、パイプを楽しむうちに感覚的にわかってくるものですので、あまり神経質にならずに色々試してみましょう。
パイプ・ボウル表面の汚れや、マウスピースの汚れは柔らかい布で拭います。こちらも専用のポリッシング・クロスやクリーン液、ポリッシュ液なども販売されています。
その他にも煙道の汚れがひどい時などは専用の「煙道クリーナー液」にモールを浸してから掃除すると綺麗に汚れを落とす事ができます。また、こういった日々のお手入れの中でダボの緩みや、ひび割れ、ボウルの焦げ付きなどがないかも定期的にチェックしておきましょう。
使い終わったパイプは、パイプ・スタンド(パイプ・レスト)やキャビネット、もしくはパイプポーチなどに入れて保管できれば万全です。
まだそれらの道具が揃わないうちは、やわらかい布などに包んでうっかり壊してしまわないように保管します。
安価なパイプであっても大切に使い、お手入れを欠かさず長く使っていれば、そのパイプは貴方のかけがえのないパートナーとなってくれるでしょう。
2006/07/09 | Comments (0) | ツイート